ブラマプトラ川は源流を中国に持ち,インドを経てバングラデッシュに流入する.その後ガンジス川と合流しベンガル湾に注ぎ込む.上流域にはアッサム地方など雨季に多雨の地域があり,雨季乾季の流量の差は激しい.毎年のように洪水は起こり,そのたびに流路は変化する. 日本の川のイメージとは全く異なり,川幅はおよそ10km.対岸はほとんど見えない.我々の感覚では海である.また洪水もイメージが異なり,徐々に水位が上がり,徐々に下がるというものである.しかし,大洪水では国土の70%近くが浸水する.乾季には肥沃な土壌で形成された無数の中洲が姿を見せる.実際,中洲に住む人もいるため,大洪水では多数の被害者が出る.
日本をはじめ先進国は積極的に援助活動を行っているが,日本の洪水対策のようにコンクリートの堤防で川を固定することは不可能に近い.そのため,元来の構造物による対策ではなくよりソフトな対策が必要とされている.