小口研究室    東京大学空間情報科学研究センター
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Keywords: OWL, Land Cover, Land Use, GIS

オントロジー(OWL)

オントロジーとはもともと,哲学分野で「存在論」とされる領域ですが,近年工学の分野を中心に「概念の設計図」という意味で使用され,他の分野に影響を与えつつあります.

       
「存在論」から「概念の設計図」へ

例えば「リンゴとは何か」という問いに対しては,複数の視点から回答できます.「果物」と答えれば正解のように思えますが,そうではないのです.あるときには「クロスボウの的(ウィリアム・テル)」であり,また「重力発見のきっかけ(アイザック・ニュートン)」でもあり,さらには「白雪姫を眠らせる」こともあるわけです.


What is an apple?

 

 

このように「リンゴ」の意味は多様であり,また「リンゴ」を構成している要素,「リンゴ」の種類,「リンゴ」以外のモノとの関係なども多様です.オントロジーはこうした複雑な関係を,コンピュータが理解できるような書式で表現します.具体的な記述形式として,Web Ontology Language(OWL)の開発が進んでいます.

この研究室では,オントロジーを地理学の分野で活用する方法を研究しています.具体的には土地分類体系をOWLで表現することで,様々に異なる土地被覆の分類基準を統合する可能性を探っています.異なる土地分類体系のカテゴリーを統合するために,GISの解析機能を用いた定量的なアプローチも試みています.

       
異なる土地分類体系のOWL表現
       
複数の分類体系を重ね合わせて → 異なるカテゴリーの重なり具合を定量化

  • Tatsuya ODA, Hiroyuki OBANAWA, Seiji TAKANO, Miwako KITO, Masahiko NAGAI, Takashi OGUCHI, Ryosuke SHIBASAKI(Univ. of Tokyo)Analytical method for the land cover data using Ontology and GIS: A comparison of classification systems for Great Britain. Japan Geoscience Union Meeting 2006 (Makuhari Messe).
  • 高野誠二,小花和宏之,織田竜也,鬼頭美和子,長井正彦,小口高,柴崎亮介(東京大)「オントロジーを用いた地球観測データの統合にむけて―土地被覆図・土地利用図における分類基準の調査―」日本地理学会2006年度春季学術大会(埼玉大学).
(織田竜也)

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created on 2006/5/31