2013年京都国際地理学会議にむけての募金のお願い
2013年京都国際地理学会議組織委員会
委員長 石川義孝
募金委員会委員長 秋山元秀
今回の国際会議を「地球の将来のための伝統智と近代知」と題して開催する趣旨は次のようなものです。
現在、様々な環境問題、大規模な自然災害、地域格差や貧困、途上国における人口の急増、大都市の爆発的な拡大など、地球規模の深刻な問題が多発しています。また一方でグローバリゼーションが進む世界の中で生きていくため、それぞれの地域は地域性を正確に理解し、地域のアイデンティティを確立し、それを社会に的確にアピールしていく必要に迫られています。
地球から身近な地域社会に至るまで、地域にかかわる様々な問題にかかわり、その解決に尽力し積極的に提言を行ってきた学問が地理学です。地理学は西洋においては古代ギリシャから、東洋においては先秦時代から存在した極めて古い伝統をもつ学問で、諸学に先駆けて多くの知性がその発展に尽力してきました。その中から民族学、人類学、生態学などの新しい学問分野が生まれ、また自然の営みや人との関わり、地域的多様性などへの深い理解から、地球環境にかかわる科学や生物学の発展に大きな貢献をしました。また近代以降の科学技術の発達の中で、地理学は地表についての知識を体系化し、それを応用する空間科学として、地域計画や都市建設などの分野においても重要な役割を果たしてきました。
さらに地理学は、最近の世界の大きな変化にも的確に対応しようとしています。グローバリゼーションの中での経済や政治状況を把握したうえで、世界の総合的な理解を深めようとしています。情報社会の進展にともなっては、地理情報システム(GIS)などの新しい技術・方法論の開発を行い、高齢化や過密・過疎の格差が著しい地域社会のありかたについての政策立案を積極的に行うようにしています。
今般の東日本大震災に対しても、日本の地理学者たちは、いち早く被災地の現状把握を進め、被災地の今後の復興に向けた地域計画を構想するとともに、今後の大規模な災害に対する防災・減災についての基礎的な研究に向けて総力を結集しようとしています。
地理学における国際的な活動は、19世紀の後半からヨーロッパにおいて盛んになり、1922年にはベルギーのブリュッセルで国際地理学連合(IGU)が正式に発足しました。現在、世界で約90ヵ国が加盟し、日本はその最古参メンバーの一つです。日本では、1957年に国際地理学会議(東京、奈良)が開かれ、また1980年には第24回国際地理学会議が東京で開かれました。現今のグローバリゼーションの広がりと、その中でのアジアの役割、とくに日本の役割の重要性にかんがみ、日本で国際地理学会議を開催してはどうかという機運が高まり、招致運動を行った結果、2008年5月にその京都誘致に成功しました。
今回は東京ではなく、京都の国立京都国際会館を会場とし、メインテーマも、地理学の諸課題を「伝統智と近代知」という観点から見直し、21世紀の新しい地球時代における地理学の意義を再発見しようとするものです。その際、近代地理学が発展させた科学的な方法による体系的な知識だけではなく、前近代の地理学の長い伝統で培われた知恵も、正しく評価すべきだと考えました。これによって、地理学が他の学問分野と培ってきた豊かな内容を再び取り戻し、現代世界のかかえる環境問題、都市問題、地域格差の問題等の解決に向けて大きな成果を収められるのではないかと期待しています。
国立京都国際会館は、1997年に京都議定書が締結された場所であり、これからの世界の環境のあり方の検討を大きな目的の一つに据える本会議に相応しい場所です。この会議の成果は、これからの日本の進路に必ずや大きく貢献するものと思われます。
2013年京都国際地理学会議は日本の地理学界が総力を挙げて取り組むものですが、多額の経費がかかることが予想されます。とくに、世界各地からの多数の参加、とりわけアジアの発展途上国からの参加や、これから斯学の発展を担う若い学生・院生等の参加を経済的に支援することが、国際的に強く期待されているところです。 地理学関連学会からも支援をいただき、学会会員からの醵金もいただく予定ですが、全体の経費から見ればかなりの不足が生じることが予想されます。公的資金による援助もあまり多くは期待できません。そのために各界からの募金による収入を得るべく、募金委員会を発足させました。上述のような趣旨をご理解いただき、是非、ご協力をお願い申し上げる次第です。
つきましては下記のように募金要項をつくりましたので、これをご一読いただき、募金にご協力いただければ幸甚です。
寄附金募集要項
(1)募金の名称
2013年京都国際地理学会議寄附金
(2)募金期間
2011年(平成23年)5月16日~2013年(平成25年)8月2日
(注:会議開催日前々日まで)
(3)寄附金の使途
2013年京都国際地理学会議の準備ならびに運営に関する費用に充当します。
(4)寄附金受入手順
寄付金についてのご案内(PDF)をご参照願います。
(5)「寄附金申込書」の郵送
「寄付金申込書」(PDF)をダウンロードして、必要事項を記入し捺印のうえ、
国際観光振興機構の以下の住所に郵送願います。
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館10階
独立行政法人国際観光振興機構コンベンション誘致部 開催支援・交付金グループ
電話:03-3216-2905
国際観光振興機構が「寄附金申込書」の受領を確認次第、「寄附金申込受理書」を送付します。
「寄附金申込書受理書」の受領後、指定口座番号にお振込ください。
(6)税法上の扱い
この寄附金は、特定公益増進法人である独立行政法人国際観光振興機構への寄附金として、
税法上の損金算入(法人・企業)、所得控除(個人)の優遇措置が講じられます。
詳しくは、損金算入・所得控除の例(PDF)をご参照ください。
(7)その他
ご質問がありますさいには、以下までお寄せ願います。
〒520-0862滋賀県大津市平津2-5-1滋賀大学教育学部 秋山元秀
電話:、メール:
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